Imagine/ John Lennon

天国なんて無いって想像してごらん
やってごらん、簡単だよ
自分達の下には地獄も無いし
上にあるのは空だけ
全ての人達は今現在を生きているんだ

国なんて無いって想像してごらん
そんなに難しくないよ
殺すべきものなんて無いし、そのために死ぬなんて無い
そして宗教だって必要ない
全ての人々が平和に暮らすのを想像してごらん

あなたは僕が夢を追っているというかもしれない
でも僕だけじゃないんだ
いつかあなたも僕たちに加わってくれると思う
そして世界は一つになると思う

所有なんて無いって想像してごらん
あなたはそれをできるかい
欲張りになることも飢えることもない
皆、同じ人間同士なんだ
全ての人々が全ての世界を分かち合うのを想像してごらん

（拙訳）

2001.9.11の後、この歌は全米殆どのテレビ、ラジオ局で放送自粛になってしまいました。一番平和を願わなければいけないその時に、ジョン･レノンの作った良識的にも認められた平和を願う歌は退けられました。･･･これが世界の現実です。当時「天国なんて無い」が被害者や家族の心情を害するということでしたが、実際にはこれから戦争に確実に突入する国にとって「国なんて無い」、この部分が一番問題とされたのは当然なはずです。多分いまだに半分以上のアメリカ人はその選択を妥当だったするのではないでしょうか。

ジョンは「God」という歌の中で多くの物をただの概念だと言い切っていました。私もそれに賛成です。「神」でさえも勝手に人間が作り出した概念だと思います。作った理由は要するにその方が便利、都合が良い、融通が利くからなのです。まったくもって絶対的な真理とはかけ離れています。そして「国」なんて概念は概念としてさえ歴史的にも新参者です。考えてみて下さい。日本にはその昔、いくつもの「国」があった。今の日本は「近代国家」の概念？でもその近代国家は何かエライ概念？だいたい国というのは他国があって相対としてようやっと成り立つ物です。数学などの定理に比べたら信じられないほど曖昧模糊なのです。だから、そんな物に頼っているから世界中で今なお戦争が絶えないのです。例えば仮にあなたが国際結婚をしてそれにより子を得たとして、国という単位はそんなに大切だと思いますか？アイデンティティーとしての国を言う人もいるかもしれませんが、そんな曖昧な物でなく自分自身の特有性を優先し、他者との共有にはあまり依存しないほうがいい思うのですが。。。本当のアイデンティティーを持ちたいなら。

そして多くの場合国という概念は独裁者、権力者がその上に乗り、自分の強欲を成すための道具に使われてしまう。そのために何百万もの人命が簡単に失われるのです。日本ではいまだに大河ドラマ等で天下を取ろうとした戦国武将が讃えられます。でもアメリカやカナダではナポレオン、アレクサンダー、チンギスハン等、戦争で何万もの人命を奪った人間はヒトラーと同等の独裁者という教育を受けます。アメリカが正しいなんていってません。アメリカでジョンの歌は却下されたのです。ただ、人はその人の集まりをあらわす単位について盲目的に従うのではなく、もっと知るべきなのではないかと思うのです。

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