お金というのは方法はどうあれ稼げば良いのでしょうか?ただ稼いだ者勝ち?
まずはこちらのYouTube動画『「ブラック企業大賞」候補発表~ワタミなど8社』をご覧ください。
その昔世間を騒がせた、ライブドアのホリエモンや村上ファンドの代表人物等、彼らが平気で「どうしてお金を稼ぐのがいけないのですか?」と公言していたのを思い出します。彼らは自分でその方法に問題があると知っていたから焦点をすり替えるためそう言ったのでしょう。...お金はその方法はどうあれ、稼いだ者勝ち?日本だけでなく東洋世界ではどうやらこの考えがまかり通っているようです。でも、当り前の話ですが何でも同じではないです。オレオレ詐欺や泥棒で稼いだお金と、汗水垂らした労働でのお金が同じだなんてことはない。人を騙して稼いだお金、人の犠牲によって得られたお金、労働価値(労働への対価)にあまりにかけ離れたお金、ギャンブル系、この辺は正直卑しい世界のお金だと思います。
最近の世代は下手をすると「搾取」(exploitation)という言葉さえ知らない場合があります。昔は本屋に行けばマルクスの「資本論」や羽仁五郎の「都市の論理」「文部省廃止論」なんてのが本棚の特等席に陣取っていました。ところが今や見る影もありません。確実にどこかからの圧力が掛かっていると思います。それどころか最近本屋で平積みにされているのは「成功者に聞け~」とか「私はこうやって~億円稼いだ」とかそんな正直タイトルだけで赤面な本ばかりです。
日本には結果論、「勝てば官軍」を当たり前と思っている人が多いようです。しかし例えばナチスドイツが第二次世界大戦で勝ったとしてその行いが正当化されるなんてあるでしょうか?虐殺が当たり前の世界?今だに日本の国営放送NHKでは大河ドラマという戦国大名(昔の独裁者)を英雄化するテレビドラマを放送しますが、日本がもっと民主化されれば確実に時代遅れなものとなるでしょう(この言葉、違和感を感じるかもしれませんが、日本は世界の先進国の中ではさほど民主化された国ではありません)。その昔日本でまかり通っていた男女差別やその他もろもろの恥ずかしい習慣(男性の立ち小便やタバコのポイ捨て等々)と同様に。アメリカやカナダなどではナポレオン、アレキサンダー、チンギスハンなどの独裁者はヒットラーと同等のものと教育されていますよ。
Low-educatedでlocalなおじさん、おばさんがNHKの大河ドラマを見てそのまま「戦国大名様は素晴らしい」だったら仕方ないし、どうにもならない。しかしちゃんと高等教育で英語を習い民主主義の概念を教育された人たちが、時代遅れの考えを鵜呑みにしてはいけません。昔読んだ本でホイジンガーが存在論者を揶揄するために「生に固執する」として悲観主義者と呼んでいました。確かに悲観主義者が上記傾向の搾取を行ったり結果論だけで物を見る傾向が強いようです。そして私の今まで学んだ中で、本当の生に固執する悲観主義者はホッブズ主義者です。「万人は万人に対して狼」と言った人です。思想体系を知れば、ある程度人の行動や考え方は系統立てられる、カテゴライズできるということが分かってきます。日本にはホッブズ主義者が沢山いますね。先に出したブラック企業にノミネートされた社長達はホッブズ賛美者達だと思います。でばければ人を食いものになんてできません。人によっては彼らは人を食いものにしても生き残る「強者」と言うかもしれません。でも私からすると、そんな方法でしか生き残る術がない「弱者」にも見えます。ちなみにアメリカではその手の思想を持つのは「小さな政府」を主張するティーパーティー派と呼ばれる人達に多いです。思想ってこのように系統化されるものなのです。行動や言動をみればその人の思想傾向は分かるし、逆に考えを聞けばその人の行動も大筋は読めるのです。
※filthy lucre 汚いもうけ